2012年12月21日

島の真実


沖縄。
この島が、不死の島、蘇りの島、悪霊たちの島、すなわちヴァンパイア島であることに気がついたのは、もうだいぶ以前のことだ。

かつて、島のいたるところで見られたという血にまつわる風習。
あるいは、死者の復活を信じて行われた様々な儀式は、そのことを示唆している。

さらに、『おちみず』と呼ばれた不死の水への信仰。
墓参りでの、死者と共にするという奇妙なまでに賑やかな会食。
つい最近まで行われていた、洗骨の風習。
『マブイ』と呼ばれる人間の魂の着脱概念。
死者たちの結婚、グショーニービチ。

これらは、この島における生者と死者の特別な関係を物語っている。
すなわち、この島の人たちは明らかに死者たちと同じ空間と時間を共有し、しかもそれを積極的に受け入れようとしている……。

この島の人たちにとって、夜は死者たちの時間であり、生きている者たちは彼らを邪魔しないように気をつけて生活してきた。
昼と夜の境目の短い時間には、生者と死者が交流することさえできたという。

まさに、ヴァンパイアの世界そのものではないか?

島の真実

しかし、なぜか、そのことをいう者は誰一人としていない。
時代遅れの民俗として、言う価値もないものと見なしているのか。
それとも、現在までも続くさまざまな風習や、儀式の裏に隠された秘密が白日のもとにさらされ、沖縄のイメージが損なわれることを恐れて、口をつぐんでいるのか。

私にはわからない。

ともあれ、沖縄がヴァンパイア島であることを言うことに、いったい何の意味があるのだろう?
そんな妄想じみた話をすれば、私は頭がおかしいと思われるに違いない。
しかし、私も年を取り、何もかもが面倒になってきている。
生きることだけに追われ、もう明日も知れない身の上だ。
いま話さなければ、おそらくもう話すこともないだろう。
もう何と思われてもいい。
わずかづつではあるが、なにか書き留めておこうと思う。

自分が生きてきた証のために。
そして、愛しい、あのヴァンパイアたちのために……。


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